13年目の孵化となりました。産卵ラッシュの雪浦アカウミガメ。
雪浦小学校では、このチャンスを学びに取り入れています。
5・6年生の総合の学習で、「旅立ちまで見守ろう ウミガメの産卵」 というテーマ、「アカウミガメの産卵のことを知り、自分たちに出来ることはないか考えよう」という課題で学習に取り組んでいます。命の誕生をめぐり、地球規模でのウミガメの生態を調べることで、見えてくる自分たちのふるさとの姿があります。素晴らしい学びが始まっています。
学習の1回目は、「地元の方の話を聞こう」ということで、6月23日に、川添成行さんと渡辺美佳さんをゲストティーチャーに迎え、昔の様子や、13年前のことなどを話していただきました。
そして、学習の2回目は、7月7日に、日本ウミガメ協議会の引地さんと、ペンギン水族館の大塚さんをお迎えし、アカウミガメの生態や、観察するときに気をつけることなどを学びました。
日本ウミガメ協会の引地さん。前回13年前の産卵・孵化のときにも、大変お世話になった方です。
県内の最近の産卵地。(今年は、長崎県内は、雪浦だけとも聞きましたが、未確認です。)
アカウミガメは、太平洋、大西洋、インド洋など世界の海に広く分布しているが、北太平洋で産卵場所があるのは、南日本の砂浜だけだそうです。ということは、南日本の沿岸に産卵ができる砂浜がなくなってしまえば、北太平洋のアカウミガメが絶滅してしまうことになります。雪浦の後ろの浜は、とても大切な浜なのですね
生まれた赤ちゃんカメは、黒潮の流れに乗って、太平洋を横切って、カルフォルニアやメキシコの沖まで行っていることも確認されています。
そして、産卵できる大人の個体になると、自分の生まれた浜に戻ってくるといわれています。その期間は、生まれてから、10年から30年とも言われています。
アカウミガメが、陸に上がるのは、一生のうちで、産卵するときだけです。
自分の甲羅位の穴を掘り、卵を一つ一つ綺麗に並べて産み落とします。
アカウミガメの鼻の先はとがっていて、赤ちゃんカメは、そこで殻を割って出てきます。
ペンギン水族館の大塚さん。タイマイの剥製を持ってきてくれました。
日本で見られるウミガメは、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ、ヒメウミガメ、オサガメの5種類です。
オサガメ・タイマイは、「絶滅寸前種」。アカウミガメ・アオウミガメ・ヒメウミガメは、「絶滅危惧種」に指定されています。どのウミガメも、今では、大変数が減り、貴重な生物となっています。この5種のうち、日本で産卵が見られるのは、アカウミガメ・アオウミガメ・タイマイの三種です。
陸のカメの代表として、ミドリガメ(アカミミガメ)をみんなで観察してみました。
陸にいるカメと海にいるカメの大きな違いは、まず、手や足の形。
陸にいるカメは歩くのに適した形で爪や足底がありますが、アカウミガメの足は、ヒレのような形をしています。
また、海のカメは、甲羅が平らで、足や首を甲羅にしまえません。
専門家に聞いてみたいことがたくさんあります。次から次へ手が上がりました。
なんで、今年、雪浦の浜にこんなにたくさんの産卵があったのか・・・・。
アカウミガメは、生まれてくると、海に映った月明かりをたよりに、海まで一目散に歩きます。
だから、親カメは、街の灯りや電灯などのない、できるだけ暗くて、天敵の少ない、静かで綺麗で安全な浜を好みます。
雪浦の後ろの浜は、きっとその条件をみたしていたのですね。
観察するときの注意も教わりました。できるだけ懐中電灯などでカメを照らさないようにしなければなりません。
明かりの方にカメは、向かってしまうからです。でも、どうしても照らして見たいときには、海側からだけ照らすようにしてください。
子どもたちは、たくさんのことを学んでいます