1月30日は、雪浦川水系河川整備計画 第二回説明会でした。
雪浦川には、現在、河川整備計画があります。
昭和57年の長崎大水害規模の降雨により発生する洪水に備える治水(100年に一度の水害に耐えられる河川にする)が目的です。
1回目の説明会で、私たちが質問したことに対しての回答や、見直し案の説明後、現地にバスで移動しながら、説明が行われました。
この計画は、治水のために、河口から4.7キロにわたり川底を2メートル掘削し、川の幅を広げるために10メートルくらい拡幅・護岸していくというものです。
4.7キロメートルというのは、ホゲットウ橋までで、雪浦ダムの少し下流までとなり、短い雪浦川のほぼ全域にかけての工事となります。
ハクセンシオマネキやハマグリなど貴重な動植物が多く生息する干潟は、そのまま保存し、そこから穏やかな傾斜を作り、その対岸の方を掘削するというものでした。
ところが、実際に川に行き、説明を受けると、驚いたことに、ハマグリの生息場所が掘削予定地になっており、その対岸を保護地点としていました。
どこにどんな生物がいるかという基本的な調査が行われていないのです。
現地説明の後、公民館に戻り、意見交流となりました。
私たちの主な質問・意見は次の通りです。
・雪浦川は、上流にダムがあるため、砂の供給はない。しかし、雪浦川の現状は、年々、砂が上流まで上がり、川底が上がってきている。これはなぜか?おそらく、この砂は、海から満ち潮とともに、下流から運ばれてくるものであろう。その証拠に、河口より上流側の方が砂の粒が細かい。(本来の川は、下流に行くほど、砂の粒は小さくなってくる。)
海から砂が流れ込んでいるのなら、掘削しても、すぐにそこに砂が入り込み埋まってしまうのではないか?掘削工事は意味があるのか?
・砂の流れをモニタリングしながら、掘削をしていけないものか?
・いくら上流の川幅を広げても、河口部分が狭いので、そこで氾濫するのではないか?果たして、拡幅工事は意味があるのか?
・河口からすぐの海底に多くの砂がたまり、大変浅くなっている。川底を掘削しても、そこの砂が川に流れ込むので、海底の砂を浚渫することが先なのではないか?
・しかし、海底の砂を浚渫すると、後ろの浜の砂が流れ込み、さらに後ろの浜がやせていってしまうのではないか?この後ろの浜に、海底にたまった砂を返していく技術はないものか? 後ろの浜は、13年ぶりにアカウミガメが産卵をした貴重な浜です。
・100年に一度の水害に備えるために、川を掘り、ガチガチに護岸するという考え方でなく、木を植えたり、遊水池を作ったりし、その100年に一度の水害の時に、うまく水を逃がす仕組みを作り、それでも水没し被害を受けた田んぼを復活させるための保証金を積み立てていった方が、ずっといいのではないか・・・
・森・川・海は、つながっているもの。これらを一緒にして考えていかないと自然のバランスはすぐに崩れてしまう。有識者会議のメンバーに海や山の専門家を加えてほしい。
・塩分濃度が変わると、青のりもとれなくなるのではないだろうか?
・ダムからの水の量をもっと増やせないものか? ← 海からの砂の流れ込みが多いようなので、川の水量を増やせば、それを少しは防げるのではないだろうか。
・ダムからの水が川を汚しているのでは?基準値以下であると言っても、都会の基準で雪浦川の水質を考えないでほしい。ここは、清流なのだから。
・環境影響評価をしっかりとしてほしい。
まだまだ他にも、住民からは沢山の意見がだされました。説明会の時間を大幅に延長しての会議となりました。
私たちは、意味のある、後世に誇れるような、河口整備を行いたいだけ。
私たちの美しい雪浦川が、美しいままで、そして、人間も安心して暮らしていける形を探っていきたい。
この日の私たちの意見は、この後の専門家による有識者会議に伝えられ、計画が作られていくということ。
地元住民の納得できる形の河川整備が行われることを、強く願います。